メインはハフリンガー。色々なメーカーの四輪駆動車を開発や委託生産しているオーストリアの伝統あるメーカーが戦後生産していた軽量小型CCV。みかけは作業車然としているのですが内容は凝っていてメカニズムとしては洗練されています。こんな徹底したものを作ってしまうメーカーとそれを評価するユーザーがいたのですね。軽トラックを4×4化したものが沢山売れたのとは物と事情が大きく違うようです。

●新車のリポートとしてはジムニー･シエラとディスカバリーのオートマティックの二台だが、どちらも本当の意味での新型車ではない。

ジムニーがアメリカの特殊な市場によって歪められて里帰りしたものが、シエラという1300の5ナンバー車。足は広いが動きは悪くギアはフリーウェイ向きです。この小型乗用車のユーザーが660に比べて得られるものは何なのでしょうか。現状では軽のみにATがあるという妙なことにもなっています。

ディスカバリーは広報貸出車両を借りましたが、ピカピカのそれを本誌の誌面にあった地形で走らせるのは神経を使いました。それがひどい二日酔いの上でとなれば尚更でした。

サファリの二段脇腹フェンダー＋天守閣モデル。折角のシャーシーも「ボデーは大きければ高級、タイアは広ければ高性能」という程度の低い価値観で台無しになっている。

オーバーランドというCCVを覚えていますか。フランスで軍用･民生用にクロスカントリー能力優先で作られた車です。日本へは数年前にディーゼルとガソリンの各1台のみが輸入されましたが、その内のプジョーのガソリンエンジンを積んだ車に乗ってみました。期待通りにオフロードはばっちりでしたが、設計の思いきりの良さから使い勝手やオンロードはダメだろうと思ったのですが、これが中々の優れ物でした。

プラドというランドクルーザーは街乗り中心目的の方々には十分に武骨と見られているしクロスカントリー・ドライブ派あるいは純ランクルマンには同族扱いもして貰えない「コウモリ」のような存在なのですが国産CCVでリジッドアクスルをコイルで吊ったのは早い方だしエンジンの大きさもサスペンションもゲレンデワーゲンと似ているのです。こいつが今回、非力という名前は返上しそうなエンジンを積んだのでサスペンションが何とかならないかとゲレンデワーゲンとの比較をやってみたのですが結論はPii..でした。

• ショートインプレッションとしては、ランクルのBJ44Vとディスカバリーの2.0リッターMpiモデル。
  
• ランクルの電動ハブの不具合についてはトヨタから正式な回答が来ました。内容は当然ながらガッカリ･憤懣ものです。事例の紹介と合わせて紹介してあります。CCVの少ない読者数でも14件も起きているのですからそのへんのプラドのかなりは二駆専用かも知れません。
  
• NOxの問題。現状のままでは古いCCVは都市周辺から淘汰されてしまいそうです。ただユーザーの連絡会からの質問に対して運輸省は規制に合格していることが証明出来ればそれは適合車として規制から外すと明言した回答を出しています。今後のユーザー団体としての活動においては「困っているユーザーの把握」が急務です。ユーザー登録と会報であるKeepRolling Letter１号、２号の購読をお勧めします。連絡先はCCV11とこの出版案内のどちらにも載っています。
  
• リサイクル・タイアについて調べて見ました。すり減ったタイアにもう一度トレッドを盛って使うのは再生タイアとも呼ばれて意外と使われています。アメリカではその再生業者が1400社もあるしヨーロッパではオフロードタイアも盛んにリサイクルされています。再生工場で聞いたらその型代ってあまり高くはなくてやろうと思えばオリジナルタイアを作れる方法でもあるのです。誰かやりませんか?
  
• コラムでは掛札さんが酒2升で手に入れたパトロールの消防車2台のオフローディング。熊平さんの提唱する四駆のイメージアップのためには意識して紳士になる必要があるというのはうなずけます。
  
• 小説「原点回帰」は３回にもなってしまいましたが一応はハッピーエンドになっています。物作りの価値って「量での勝利」だけではないですよね少なくも経営者以外には。
  
• ミリタリーでは、ジープに乗った大戦中のVIP達の写真集。将軍や政治家達がラフなスタイルでジープに乗っている姿に比べると日本やドイツの偉い人達はよりフォーマルな服装や車だったようです。
  
• パソコン通信PC-VANでの話題は野外での排泄行為についてのウン蓄集。
  
• ひょんな事からまだ外国人には解放されていないロシアのハバロフスク以北へ行きラダ・ニーバで走ってきました。ひどいのは道路だけではなくて、全てが粗末な旅行でしたので疲れましたがニーバやUAZのような小型のものから軍用の6×6までみんな必要で走っているCCVばかりでした。しかし都会の一部では見せるための4×4も少しはいました。今回は旅行記みたいなものですが、次号では現地で試乗出来たウラル4320という「高機動な」6×6をリポートします。