戦後ジープに触発されて開発された1/4トン4×4の中では、最も個性を主張した車として上げられる。5速ミッションからリアアクスルを駆動し、そこからフロントへの駆動を枝分けするというパワートレイン、X型フレームと技術を採用したがる理屈はわかるのだがあまりに複雑である。この事実上の失敗作を見ると、CCVはバランスこそが大切でありお金のかかる機能を盛り込む前に詰めるべきことは沢山あるという教訓になる。

　ジープの歴史で最大の変化として4輪コイル化されたTJをアメリカで試乗。この秋から右ハンドルとなりYJより安い納得価格で売られる。国産CCVが増えない中で注目に値すると思う。ジープとしては重くて幅も広いのはYJ譲りだがサスとボデー､幌の改良は明かである。50年を越えるUSジープの歴史は遅々としていたが今回は大股ではないが前進している。　このTJの記事に加えてアメリカでのジープ事情、古いCJの話題そして新創刊されたジープ専門誌の紹介といった関連記事を組み合わせた。

かつてのRVブームの牽引車であったパジェロの販売数も今では最盛期の半分以下となっている。売れなくなったら価格を下げるというのはわかるがエンジンを小さくし各部をケチったのでは安くしたとは言えない。これでは性能や品質だけではなくメーカーの誠意すら疑わしい。

イベント会場で見つけてオーナーに取材を申し込んだジープでオーナー自らがクロスカントリーでの経験を生かして考え、そして作業も行って仕上げたもの。しかも廃品置き場から頂戴した部品をうまく活用していたりして無駄なお金はかけていない。CCVの走破性向上の改造は大金をかけてゴテゴテと用品をつけることよりも知恵を絞って重量は増さないようにしつつ機能を高めること。そして腕を磨くことが第一だ。

オリジナルの空冷モデルの直後の水冷化されたジムニーを健全な状態にまで修理したもので筆者が日常的に使用している。600-16サイズのタイア、27馬力のエンジンそして600Kgの軽さでありながら、かろうじてマトモな車として使える実用車であった。ローの1速は67.7:1でハイの1速ですら38.5:1と低かった。ミニマムCCVを考えるよき材料でもある。

• ルビコン�U:ランクルFJ40にシボレーのV8のストロークアップ版を搭載したものは。アメリカ市場でのマニア向け装備満載で米国業界ショウ用のモデルなのだがサスは比較的ソフトで実戦的。
  
• 強化樹脂板バネ車:やっとアメリカのメーカーからサンプルが届いたのでランクル40とジムニーに装着して走らせてみた。思ったよりも普通のリーフスプリングで十分に実用的。
  
• ボブテイル近況:当方で輸入した尻切れRRの詳報をという希望が多いので、故障、モデル、シート等を考えてみた。
  
• トラクション・タイア:イタリアの大手タイア・メーカーであるピレリのFS40という荒々しいパターンのもの。調べると古くあるパターンなんですが実力は高くて見かけよりもオンロード性能が悪くない、750-16-10PR。ちょっと改良されたミシュランのXZLの750R16。
  
• リコール問題:リコールと言うのはメーカーが自発的に不具合箇所を修理するものだがメーカーが把握しているユーザーに告知されるが、あまり報道されない。ランクルとパジェロに発生した大量のリコールの内容を見るとコストダウンという「病巣」が見える。もう一つはアメリカでビッグホーンが急なレーンチェンジでの横転しやすいと指摘された件、これは設計の基礎からして操縦安定性についての誤解があると思う。
  
• サファリ改造計画:前号に続いてY60の走破性向上を目指したサスの設定作業。近々に市販される予定。
  
• SHOP&TEST:電動ウインチの整備、マニュアルにある給油不要の意味とはなにかをウォーンの古い資料も使って考えた。海外からの通信販売でのノウハウは商品番号や部品番号がない物を買うようなケース。アメリカの自動車部品用品店の代理店が出来たが「迂回輸入」が現実的。英国から重い薪ストーブを買う。
  
• アイデア工房:手近なロープを編んで衝撃吸収ロープを作る。ジープにサンルーフをつける。
  
• イベント:業界走行会、トライアル、ショップイベント、土木工事、緑車集会、ジープ展。
  
• XCボイス:ジープワゴンJ38をミリタリー調に。
  
• コラム:ジープJ36紀行は釣り。即席ラーメンとCCVの本質。森本氏は強化センターデフ組み込みの考察。ウニモグ406。ウインチ等を駆使した駆動では登れない地形の克服について。再びLADA NIVA。CJ3B-J3。そしてお馴染みランクルが最高。
  
• 小説:世間で通りがいい趣味って何なのだろう。
  
• 中村一生氏は無反動砲搭載車。寺崎氏のコラムもいつものペース
  
• ミリタリーCCVは、今回はスペース不足につき休稿。
  
• 今号の読者プレゼントは珍品・奇品を含めて数多くあります。規定を必ず守っての応募をお願いしますし冗談もご理解願います。